映画の一刻 ~日常とシネマの旅~ 第二十五便『1987、ある闘いの真実』 2018.10.27sat – 2018.11.09fri by シネマ5

大分の中心市街地、五番街にひっそりと佇む小さな老舗映画館、シネマ5。
メジャーな映画ではなく、いわゆるミニシアター系の映画を上映している映画館だが、その映画選びは個性的。

一時期東京でも流行った、ファッション的要素の強いミニシアターではなく、どこか日本の奥ゆかしさを秘めている。

個性的な映画選びだが、ちゃんと幅広い層が楽しめるようにもてなしてくれる。
そして何より空間が素晴らしい。

そのシネマ5副支配人である大西さんにシネマ5&シネマ5bisで上映される映画の中で超個人的にオススメな映画を紹介して頂く、映画の一刻(ひととき) ~日常とシネマの旅~。

今回の旅は、『1987、ある闘いの真実』
どうぞ、お楽しみください!

『1987、ある闘いの真実』

今回は、韓国映画。
韓国映画はとにかく面白い。
気合入りすぎてて、苦手な人もいるかもしれないけれど、
今の日本映画に同じものが作れるかといえば、難しいかもしれない(と、勝手に思っている)。

この映画は、韓国で本当に起こった事実の映画化。

舞台は1987年。
87年といえば、約30年前。
日本はバブル真っ只中。私は大学生だった。
韓国の民主化を揺るがす、こんな大事件が起きていたなんて、全く知らなかった。
当時はもっとぼんやり自己中に生きていた私を(今もあまり変わらないが)、
今さらながら恥ずかしく思わせる映画でもあります。

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当時、韓国はチョン・ドファン大統領が軍事政権とも言うべき、
圧政をしいていました。普通の人の不平不満を権力でねじ伏せ、嘘で塗り固める。

そんな中、取り調べ中に大学生が死亡する。
取り調べが拷問だったのではないか、という憶測を無視して、
机をたたいただけで、心臓麻痺したと政府は発表。
22歳の若者がそんなことで簡単に死んでしまうだろうか、、、。

これまで無理矢理、押さえつけられてきた社会の空気に、
反発が一気に吹き出して、大学生を中心とするデモ・暴動が韓国各地で起こる。
権力はそれを武力で鎮圧しようとする。

一方、大学生の拷問死を疑っていた検事が、
密かにマスコミに情報を流し、マスコミが民意に訴え、
社会は一触即発状態にもかかわらず、権力は押さえつけることをやめない。

そして、、、。

ーーーーー

歴史上、この事件がどのような結末を辿ったかは調べればわかる。
でも、映画は当時の空気を再現し、人々の心に去来した
あの時の迷いとやるせない空虚感を見事に表現し、
映画を見る私の真ん中に響いてくる!
決してある人昔前の物語として語っていないこの映画が素晴らしい。
どの時代も、権力が振り撒く嘘に騙される民衆が
いったい何を真実として、考え行動するべきかは、
今の日本に生きる私たちにも突きつけられていると思った。

それでも、権力者も、私たちも、
誰もが、正しく生きようとしている。
なのに何処かで、いつの間にか、優先するものがすり替わり
人の命まで軽んじてしまうような、
欲望の渦に巻き込まれてしまうのが人間なのか。

映画を見ながら、いろいろと熱い気持ちが沸き起こる中で、
やるせなくて哀しく虚しい自分という人間までもを振り返ってしまう映画でした。

うーん!面白い。
ぜひ、みてください。

『1987、ある闘いの真実』
監督|チャン・ジュナン
出演|キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、キム・テリ、ソル・ギョング
配給| ツイン
2017年 / 韓国 / 原題 1987: When the Day Comes / 129分
http://1987arutatakai-movie.com/

【上映期間】
2018.10.27(土) – 2018.11.09(金)

【上映時間】
オフィシャルサイトをチェック!
http://www.cinema5.gr.jp

【会場】
シネマ5
大分市府内町2丁目4-8
TEL 097-536-4512 / FAX 097-536-4536
オフィシャルサイト http://www.cinema5.gr.jp

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